関西I(愛)ターン人間の備忘録

2017年12月中小企業診断士登録。現在は会社員としてネットショップ支援業務に従事。 横浜に生まれながら関西にルーツを持つ筆者が、地域の事業者と市民を元気にする情報を発信します。 現在は、東京都墨田区に在住。月一度、関西とを往復する日々を過ごしています。

カテゴリ:企業応援 > マーケティング・営業

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少し歯が痛くなったといって歯医者へ行くと、初日はレントゲンをとってちょっと歯を削る。次の回はさらに削ってセメントで埋める・・などといって何回も歯医者に通うことになります。で、治療が終わったら、「親知らずがありますが抜きますか?」「歯石を取りますか?」と別の場所の治療も勧めてきます。

歯医者にとって患者さんが大事なお客様であることを考えると、これは非常に大事なマーケティング施策であるといえます。同じ患者さんが歯の悩みについて必ず自分のクリニックに相談をしてくれるようになればいわゆる生涯価値(LTV)が上がり、大きな収益を上げることができるからです。

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最近では、「デンタルテック」とよばれるハイテクノロジーも駆使して、顧客(患者)の獲得、つなぎ止めを図ろうとする動きもあるようです。

大阪のスタートアップ企業ノーブナインが開発した「スマッシュ」という歯ブラシは、センサーで「メチルカプタン」や硫化水素を検知して歯周病があるかを調べることができます。このデータをスマホで確認できるようにして歯科医に相談するきっかけをつくろうというのが狙いです。

ノーブナイン社は月額980円で小児の歯の相談がいつでも受けられる「ブラシる」や、オーラルケアのプロが選んだ歯ブラシを定期配送するといったサブスクリプションモデルのサービスを既に提供しています。

もしかすると「スマッシュ」を利用して歯周病治療や予防のサブスクリプションサービスを開始することも視野にあるのかもしれません。

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さて、最近よく耳にする「サブスクリプション」ですが、ニック・メータ、ダン・スタインマン、リンカーン・マーフィーらの著書によれば、顧客の成功すなわち「カスタマーサクセス」を第一に考えてマーケティング施策を実施することが最も大事であるとされています。

実はこの「スマッシュ」という歯ブラシ、一台5,000円~8,000円とハイテク機器にしては割安です。歯ブラシそのものを売るのではなく、スマホでの歯の状態管理や相談によって「顧客の歯を健康に保つ」ということを提供価値にして収益を得ようとしていることが、このことからも読み取れます。

日本経済新聞 2019年5月6日(月)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44265690W9A420C1FFR000/ 

参考図書
ニック・メータ、ダン・スタインマイン、リンカーン・マーフィ著
バーチャクレス・コンサルティング 訳
「カスタマーサクセス ~サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」(英治出版)
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2260

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うちの伯母は、すでに還暦を超え一人暮らし。テレビなど家電が壊れたら街の電気屋に来てもらって修理してもらうか、買い替えるかするそうです。私はどちらかというと量販店に行ってしまうため、あまり電気屋さんを利用したことがありませんが一人暮らしの高齢者にとっては大切な存在なのかもしれません。

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と、ここのところ高齢者向けサービスのお話ばかりしてきましたが、若者向け(?)の家電サービスとして、アプリをダウンロードして個人情報を入力するだけで、家電が故障したときに10万円分まで無料で取り換えてくれるサービスがあるそうです。

このサービスを提供するのは大阪市に本社のある「ワランティ」。このほど日立アプライアンスと提携し、アプライアンス社に個人情報を提供する代わりにその対価で保険に加入し、ユーザの家電が故障したときに新品をアプライアンス社から購入するというビジネスモデルだそうです。

アプライアンス社としては個人情報を得てマーケティングに活用できるほか、ユーザの家電が故障すると自社の製品を使用してもらう新規ユーザを獲得することができるメリットがあります。おそらく予め得た個人情報をもとにさらなる購買につなげるようセールスをかけていくものと考えられます。

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国内では人口が減少し、家電業界も新規顧客獲得が簡単ではなくなってきていると考えられ、サブスクリプションモデルなどで既存顧客を囲い込む動きも強まってきています。ワランティが提供するアプリは「故障」という買い替えニーズを的確にとらえ、その後の継続購買にもつなげられるという点で、強力なマーケティングツールであるといえます。

日本経済新聞 2019年2月4日(月)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO40783320R00C19A2FFR000/ 

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最近コンビニ業界では焼き鳥や唐揚げなど酒のつまみ系のメニューが充実してきた半面、アイスクリームや中華まんといったおやつ系のメニューが減ってきていて、おっさん化しているような気がするのは私だけでしょうか。

いえ、統計上もそのようになっているようです。
日本フランチャイズチェーン協会が発表した18年のコンビニの売上高(大手7社の既存店)は9兆7244億円と前年を0.6%上回ったものの、客数は157億円673万人で前年割れ。さらに11年から17年の間に60代以上の割合が11%から19%に伸びた一方、20代の割合は23%から14%まで下落したそうです。

この間の国内総人口に占める60代以上の割合の伸びは32%から34%であることを考えると、高齢化が進行していることが伺えます。このまま若者離れが進むといずれ客数が減少していき、コンビニエンスストアという業態は衰退、ネット通販やその他の業態がそれにとってかわられるという可能性もあります。

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このように小売業の新陳代謝を説明しするモデルとして、Malcolm P.McNairが提唱した「小売りの輪理論」というものが有名です。新しい小売業態は低コスト・低価格販売で参入し既存業態から市場を奪うことで成長、やがて同様の業態が増えてくると差別化するために高コスト・高付加価値化の路線を進む、すると再び別の低コスト・低価格販売の業態が現れ市場を奪っていく、というものです。

しかし、コンビニエンスストアは参入した当初から定価販売であり、このモデルはどうも当てはまりそうにありません。

私は、ここに日本特有の小売りの循環理論があるのではと思っています。
日本では少子高齢化の進行が早くかつベビーブームの影響ですでに高齢者の割合が多くなっています。高齢者向けの商品やサービスの方が儲かるため、その分若者向けの商品、サービスが少なくなり若者離れが起きる。しかし、ターゲットとしていた高齢者が自然減で減っていくと衰退して、若者向けに販売を行っていた小売業者に取って変わられる・・・・

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最近では、CRMやらサブスクリプションモデルといった既存客を大事にする考え方がもてはやされていますが、やはり新規獲得、とくに若者を取り込んでいく努力も決して忘れてはいけないということですね。

日本経済新聞 1月22日(火)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO40291050R20C19A1TJ2000/ 

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私の両親は既に70を超えますが、父は中国語、母はコーラスと趣味を持ちしょっちゅう外へ出歩いているようなので、あまり家で孤独にしているという心配はないようです。むしろ、私のほうが「ただいま」という相手がおらず動くものが出たと言って、ゴキブリ退治が楽しみにしているくらい深刻な状況です。

しかし、二人の話し相手はもっぱら飼っているインコで、年を取ると会話をすることよりも独り言のように何かに話しかけることが多くなるのかもしれません。(実家の歴代のインコは教え方が悪いのか一度もしゃべったことがありません。)

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そう考えると、Googleなどが発売するAIスピーカーは高齢者にとってもよい話相手になるのかもしれません。そこに目を付けたのが三井物産発のスタートアップ企業「ボイスタート」。「グーグルホーム」用のアプリを開発し、高齢者向けにニューズや天気、地域の情報などを伝えるとともに、利用がしばらくなかった時に警告を発する見守り機能をつけたサービスを今年から開始します。

「ボイスタート」は昨年9月より鎌倉市で、在住の高齢者約60人にグーグルホームを無償で配布し、このサービスを体験してもらう実証実験を実施しました。鎌倉市は「パブリテック」と呼ばれる、行政サービスを技術の力によって向上させる施策に力を入れており、「ボイスタート」などのスタートアップの技術を取り入れる素地がありました。

グーグルホームを始め、各社が提供するAIスピーカーのアプリ開発は、オープンソースによって誰でも自由に行うことができます。グーグルホームはもともとPCを使わずに検索機能が使えることを狙ったものと考えられますが、オープンソースにすることで思いもよらない需要が生まれ、販売数量を増やすことができます。

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これからのモノづくりは、自社のリソースだけでなく、名も知らない協力者とも連携をしながら需要を生み出すことも考えるべきなのかもしれません。

日本経済新聞 2019年1月18日(金)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO40114200X10C19A1L83000/ 

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あけましておめでとうございます。本年も気になった新聞記事をアテにして晩酌をするがごとく、ゆるゆると記事を上げていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年のお正月は会津へ温泉旅行に行ってまいりました。最近は地方に行ってゆるキャラの姿を見ない事はありません。会津でも名産の赤べこや2013年大河ドラマの主人公・八重をモチーフにしたものなど様々なキャラクターに出会うことができました。

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2010年からはゆるキャラグランプリなるものも開催されるようになり、各地で競うようにゆるキャラが作られるようになりましたが、その初代チャンピオンである滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」の元には、1万通を超える年賀状が届いたそうです。

しかし考えてみれば、実在する人間でもないのにこれだけの年賀状が届くのは実に不思議なことです。否、実在する人物ですら1万通を超える年賀状を受け取る人がこの日本中に一体何人いるでしょうか。

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ここに日本人特有の文化が存在しています。青木貞茂・著「キャラクター・パワー」(NHK出版)によれば、日本には先進国には珍しく、生物・無生物に関わらずあらゆるものに霊が宿るとされる「アミニズム」が残っているとされます。

もともと日本が唯一神ではなく八百万の神を信仰していたことや、江戸時代260年に亘る平和な時代を経てその幻想が壊されることがなかったことなどがその要因として考えられます。

そのため、各地域に残る民話や歴史、特産品などをモチーフにしたゆるキャラを開発することで擬人化し多くの人の関心を得ることが、有能な人材を確保することが難しい地方において特に有利な戦略であるといえます。

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年明け早々の3日に大きな揺れに見舞われた熊本県和水町。第二回ゆるキャラグランプリを獲得した「くまもん」のツイッターアカウントには、500件を超えるコメント、6000件を超えるリツイートがなされ励ましの言葉が寄せられています。キャラクターを通してこうした暖かいつながりが作れるのもゆるキャラの功績です。

日本経済新聞 2019年1月5日(土)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39649370U9A100C1AC8000/

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