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私が子供のころは、ラムネは食品スーパーや駄菓子屋にも売っていたような気がするのですが、最近は祭り以外であまり見かけなくなったような気がします。ペットボトル飲料が全盛期の昨今、瓶を回収するシステムが成立しなくなったのもあるのかもしれません。

しかし、海外ではこのラムネが人気を集め始めているようです。地方の小規模メーカーが輸出に乗り出し、夏しか出荷することがなかったラムネを通年商品に変身させています。

ビー玉で栓をする独特の形の瓶も注目されており、中国の回転ずしチェーンでは大人がビールを飲む傍ら、子どもはラムネの瓶を手にするという光景がみられているようです。しかも中国では、日本国内の3倍近い価格で売られているとのこと。

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ラムネメーカーが海外へ進出する背景には、前述のように大手飲料メーカーのコーラなどに押され市場が縮小したことがあります。ラムネは中小企業分野調整法に基づき、中小企業が生産すべき品目に指定された経緯があり、ナショナルブランドもなく小規模企業が生産を続けているという実態があります。

中国などでは日本独特の飲料として受け入れられ、高値で販売されていることから小規模企業にとっても販路拡大のチャンスと言えます。

たとえば、回転ずしチェーンでの販売にとどまらず、日本食に合うように甘みを抑え大人でも飲めるような製品を開発し、ラムネ瓶の特徴を残しつつ店の雰囲気にあった形状、グラスに注げるような大きさの瓶で提供すれば高級日本食レストランでの提供も考えられます。

また、地域ブランド化しインバウンドで日本を訪れた外国人に地域名とともにラムネを記憶してもらい、ネット販売や百貨店などで指名買いをしてもらうことも戦略の一つです。

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海外の衛生基準に適合するコストなどで二の足を踏むメーカーもあるそうですが、高級ブランド化して高付加価値での提供が実現すれば、海外での販路拡大により大きく飛躍することができるかもしれません。

日本経済新聞 8月29日(月)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06550860W6A820C1ML0000/