関西I(愛)ターン人間の備忘録

2017年12月中小企業診断士登録。現在は会社員としてネットショップ支援業務に従事。 横浜に生まれながら関西にルーツを持つ筆者が、地域の事業者と市民を元気にする情報を発信します。 現在は、東京都墨田区に在住。月一度、関西とを往復する日々を過ごしています。

2018年09月

010

私は渋谷の職場から自宅に帰るとき、地下鉄半蔵門線を利用します。半蔵門線は東武線に乗り入れており3本に1本くらいの割合で「久喜行き」という埼玉県の郊外まで行く列車がやってきます。寝過ごしたらそこまで連れて行かれるのかと考えながらも、一回そのまま行ってみたい衝動に駆られたりもします。

埼玉県久喜市は電車で都内まで1時間~1時間半くらいの距離でベッドタウンとして団塊世代を取り込んできました。しかしこの世代も現在は引退。その影響を受け、1人当たり所得が2011年から16年の間に5万4,000円も減ったことが日本経済新聞の調査によって分かりました。同様の傾向は東京郊外の他の路線の終着駅である茨城県取手市、東京都青梅市などでもみられるとのことです。

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このような現象は、団塊世代の引退により地域内の生産人口(15歳~64歳)の減少によってもたらされたものと言えます。埼玉県久喜市はもともと生産人口の割合が高い地域で、市ではその維持を図るべく新たな産業の誘致にも努めています。

その一つが圏央道の整備といった好立地を生かした倉庫業などの流通加工業です。地域内の流通加工業の従業者数は2006年~2009年の3年間で5万人強増加し、新たな産業として重要な位置づけを占めていると考えられます。

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しかし、倉庫業・流通加工業の賃金は全産業の平均を下回っているとされ、通勤電車に乗って都心で仕事をしていた団塊世代の所得減少をカバーするには至っていないものと考えられます。ネット通販の普及などで増加しつつある流通加工業ですが、得られた利益が地域経済にも及ぶようになってほしいものです。

日本経済新聞 9月29日(土)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35902440Y8A920C1L83000/ 

164

京都の職場で働いていた時は、よく昼休みに京都駅ビルの伊勢丹を覗きに行っていました。屋上から新幹線を見たり、催事場でやってる地域物産展を物色したり。百貨店は何も買わなかったとしても歩くだけでも心が豊かになった気分になれます。

しかし、とくに地方都市の百貨店は苦戦を強いられており関西でも姫路のヤマトヤシキが閉店したり、私が住んでいた高槻の西武が身売りしたりしています。この流れは地方都市だけではなく首都圏の郊外にもやってきているようです。

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三越伊勢丹は、百貨店事業のほぼ半数を稼ぎ出している伊勢丹新宿店、三越日本橋店、三越銀座店に経営資源を集中させるとして、相模原・府中・新潟の3店舗を閉店すると発表しました。

伊勢丹相模原店が出来たのは私が中学生のころで、小田急線の相模大野駅前が急に都会になった印象を受けたのをよく覚えています。わずか30年足らずの間にこのようなときが来てしまったことに驚きを隠せません。

郊外の百貨店は、訪日外国人のインバウンド需要を取り込むことができず、イオンモールなどのショッピングセンターやネットショップに顧客を奪われたことが響き、売上の減少が続いています。

郊外の百貨店が閉店するとランドマーク的な百貨店がなくなることで街のにぎわいが消失し、専門店で買うようなアイテムの購入はよりネットショップに流れることが予想されます。

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しかし、百貨店などの実店舗は地域の雇用を支えていたという側面もあり、これがネットショップに取って代わられることは地域経済により多くの打撃を与えることになります。であるならば、せめて地域発のネットショップが地域を支える存在にまでなってほしいと願うばかりです。

日本経済新聞 9月27日(木)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35780230W8A920C1TJ2000/ 

018

郵便局へ荷物を持っていくと、郵便局員が丁寧に重さや大きさを測り受付をしてくれます。郵政民営化後の郵便局員は特に丁寧になったような気がします。不慣れなコンビニの店員が対応する他の宅配業者とそのあたりでサービスレベルに差をつけていると感じます。

このたび日本郵便が打ち出した「ゆうパックスマホ割」は、あらかじめダウンロードしたスマホアプリにクレジットカード番号を登録しておき、発送のときにあて先や品名を入力して郵便局に据え置かれた専用端末にQRコードを読み込ませ、あて名ラベルを印刷するというもの。これを利用することにより180円の割引が受けられます。

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日本郵便は、ヤマト運輸など競合の運賃値上げにより宅配便のシェアを急激に伸ばしました。個人向け・法人向けの運賃に差がなく他社に比べ低価格であったことが原因と言われています。

しかし、人手不足の問題は日本郵政にとっても例外なく重くのしかかり、つい先日には土曜日の郵便配達(ゆうパックは対象外)の取りやめを検討していると総務省が発表しました。

「ゆうパックスマホ割」のサービスは、郵便局受取にすることでさらに100円引きの割引が受けられ、配達や窓口業務の負担を減らし、人手不足の問題を軽減しようという狙いが感じられます。

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ちなみにこのサービスは個人向けのサービスであり、通販事業者などの法人には対応していません。人手不足がさらに深刻化すれば法人向けサービスは逆に値上げされる可能性もあります。事業者にとってはなかなか頭の痛い問題です。

日本経済新聞 9月26日(水)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35730860V20C18A9TJ2000/

052

昨日までの3連休を利用して、山口県萩市を旅してまいりました。この街には大阪に居たときから何度も通い詰めておりましたが、東京に転居して初めて伺いました。これまで新幹線で行っていましたが、東京からは飛行機で行くことになり、ANAのマイルがたまる楽しみが一つ増えました。

とはいえ、そんなにしょっちゅう飛行機に乗る機会はないのでマイルはそんなに貯まらないのが現実です。しかし、このたびANAは旅先で民泊やカーシェアのシェアリングサービスを利用することでマイルが貯まるサービスを開始するとのこと。これらを利用すれば少しは早くマイルを貯めることが出来るかもしれません。

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ANAは一般社団法人シェアリングエコノミー協会の賛助会員として、個人の特技を生かした体験型ツアーをコーディネートする「TABICA」、個人の持っている撮影機材をシェアする「totte」などと提携をし、シェアリングエコノミーを普及させる活動を行っています。

シェアリングエコノミーに関心の強い20代~30代のいわゆるミレニアム世代を取り込み、将来の主要な利用者となってもらうことを狙いとしています。

他方、地域にとっては空き家等の遊休資産や空いた時間の労働力をお金に変えることができ、地域経済の活性化につながるメリットがあります。具体的には、空き家を改装して民泊として利用する、地域住民の運転による観光案内などが挙げられます。

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私が萩市を何度も訪れるのは、実は地元の方から地元の方しか知らない名所や楽しみ方を教えてもらえる点がとても大きいのです。毎回違う発見があり飽きることがありません。このような旅の楽しみ方が広まれば地域経済にとって大きな力となるはずです。

日本経済新聞 9月25日(火)付朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35693850U8A920C1TJC000/ 

009

障害者雇用促進法が制定されたのは1960年の事。1976年には身体障害者の雇用のみが義務付けられ、その後1987年には精神障碍者の雇用も義務付けられるようになりました。近年は人手不足も相まって、事業主に義務付けられる障害者の雇用率も年々高まる傾向にあります。

一方で、戦後すぐに制定された旧優生保護法が改正されたのは1996年。近年までこの法律により強制不妊の手術を受けさせられていた障がい者の方がいたことには驚きを隠せません。今日、報じられた記事によれば改正の10年前の86年に旧厚生省内で、強制不妊の条項について「人道上問題がある」として改正を促す指摘があったのにも関わらず、すぐには実現しなかったことが明らかになりました。

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この法律を巡っては、今年に入り憲法が保障する「幸福追求権」などに違反するとして、強制不妊手術を受けた障がい者らが仙台地裁などで国を提訴する裁判を起こしています。障がい者であることを理由に強制的に不妊手術を受けさせられることは「法の下の平等」にも反すると考えられます。

もともとこの法律は、戦後の食糧難の時代に過剰な人口増加を抑制する目的に、人工妊娠中絶を合法化させるために成立したといわれています。それに加え、戦前当時から優勢であった優秀な子孫のみを残すことを是とする「優生思想」が組み込まれ、障がい者に対する強制不妊手術が法律として成立したものと考えられます。

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日本国憲法が制定されたのちにもこのような法律が成立し、その後も長い間憲法上の問題が争われることもなかったのは不思議なことです。なぜこのようなことになったのでしょうか。

ひとつにはこの法律が当時全会一致で成立したように「望まない」妊娠を回避する事に対して強い支持があったものと考えられます。それに加え、違憲審査の権利を持つ最高裁判所が違憲判断に消極的であるということがあります。事実、最高裁が法令に対して違憲判決を下したのは日本国憲法が成立して以来10件しかありません。

国の法律は国民から選ばれた代表が集まる国会で多数決で定められ、それが尊重されるのが原則ではありますが、一方で憲法が空文化され少数派の人権が侵されるようなことがあっては立憲主義国家とは言えません。

日本国憲法
第13条 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条1項 すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

日本経済新聞 9月24日(月)付 朝刊より
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35685360T20C18A9CC1000/

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