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最近財布が太ってしまし仕方がありません。お札で太るなら嬉しい限りなのですがポイントカードで太ってしまうのが現実です。しかも、そのほとんどのポイントが使えずじまいで有効期限を迎えてしまいます。使えないのが分かっているならもらわなければいいのですが、ついつい作ってしまうのが人間の性です。

こうしたポイントは失効すると、発行者に「失効益」として利益が計上されます。店舗が発行するものなら店舗の利益に、ショッピングモールやクレジット会社ならクレジット会社の利益になります。

宮城県気仙沼市の気仙沼観光推進機構が発行する「気仙沼クルーカード」は失効したポイントが機構への寄付になる仕組みで、気仙沼への来訪者増加の取組みなどに使われる予定だそうです。寄付になるのならば失効したとしてももったいない気持ちにはならないので気軽にカードが作れます。

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ところでこうしたポイントの原資は通常、店舗側で負担することになります。気仙沼クルーカードの場合、ポイント料の負担として売上の1%、これに加えてシステム利用料として2%、計3%の負担が必要となります。

現在のところ会員の7割が宮城県内在住で比較的ポイントを使用しやすい環境にあり、失効ポイントがどの程度になるかは不透明です。県外の人に会員になってもらえるようにもっとPR活動を進めていくことも必要となるでしょう。

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数%のポイント料の負担は販促費として決して少ない負担ではありません。地域としての魅力をどれだけ高めて会員を増やせるかが、販促費に見合うリターンを得られるかにかかっています。それだけに地域の加盟店がどれだけ増え、地域全体の協力者が増やせるかも大事なポイントとなりそうです。

日本経済新聞 2018年1月7日(日)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25304400U8A100C1SHA000/