変わりゆく世に面白く

中小企業診断士。ウエスト・アイ・ランドコンサルティング代表。会社員としてネットショップ支援業務に19年間従事の後山口県萩市へ移住。 地域おこし協力隊として従事しつつ独立。スモールビジネスとは何かを自ら実践しながら追求する。

2016年09月

差几年 ~何歳違い
你跟你哥哥差年岁?
他比我大四岁。

 

007

オフィスといえば、つい数年前までは課長や係長がお誕生日席よろしく部下全員の顔が見える席に座り、課員がその脇を固めるような座席が多かったのですが、最近では「フリーアドレス制」などと言って、座席さえ決めずフラットな関係を持たせようとする会社も増えてきているようです。そんなオフィスではどこに座ってよいかわからなくなってしまいそうですね。

さて、自動車向けタイヤゴムや半導体材料等を製造・販売するJSRは、三重県に研究所を新設し事業部や製品ごとに分散していた研究機能を集約化、事務フロア内を「フリーアドレス制」にしたり普段使う階段を一か所に統一したりして研究員同士の交流を促して、セクショナリズムを排除しフラット化をしようとしています。

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同社は、中長期目標の指標として売上高営業利益率とROE(自己資本当期純利益率)を重視していますが、28年3月期決算では営業利益率9.4%⇒8.9%、ROE9.0%⇒6.8%と前年比で低下をしています。要因は国内の自動車生産の減少によるタイヤゴムの需要減少、半導体需要の伸び悩みなど既存事業の低調にあります。

一方、医薬品業界に向けた診断薬等、ライフサイエンス事業に伸びがみられ、29年3月期には同事業を事業部として新設します。

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同社は、研究室の集約化によって経営資源の効率的な活用を図り、人材の交流によって新たな付加価値を生み出し高付加価値製品によって利益の回復をめざそうとしているようです。新たなアイデアの創出や他分野の人材との交流を評価する制度などで新製品開発に対する動機づけをすることも重要となってきそうです。

日本経済新聞 9月23日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07526480S6A920C1TJC000/ 

002

枚方に蔦谷書店ができたというので覗きに行ってきました。木材を使った内装が特徴的で落ち着いた雰囲気で本を選べるのが好印象でした。ここ最近はストレス社会からの反動なのかこうした木をつかったインテリアを施すところが増えているような気がします。

奈良県はTSUTAYAと連携協力協定を結び、吉野杉を使った雑貨や小物の販売委託や、将来的には店舗の内装材に県産財の利用を促し、今後長期的に出荷量が増える杉やヒノキの販路としての協力を要請しました。自治体が需要拡大でサービス企業と連携するのは異例のことです。

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林業は生産形態で考えると完全な見込み生産と言えますが、杉やヒノキの生育期間は50~100年と極めて長く需要予測を行うことなど不可能であり、今回のように生産量に合わせて販路を獲得していくことを余儀なくされます。事実、この100年の間に化石燃料へのエネルギー転換、海外の安価な木材の流入などにより国内の木材需要は激減。結果、山林の手入れが行われなくなり品質を低下させるという悪循環を招いています。

幸い吉野杉は高級材としてのブランド力を維持しており、海外木材の相対的な価格上昇も相まってその需要開拓は実現可能なようです。

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県は林業の集約化・機械化などにより生産性を高め林業の質を維持し、そのブランド力の保とうとしています。一方で、その担い手不足も深刻な問題となっています。

もっとも、山林は木材としての利用のほかにも山地災害の防止、地球温暖化防止、景観の保持など多面的な機能を持ち合わせています。こうした山林を維持する社会的意義を啓発し、CSR活動やボランティアも含めた担い手が発掘されることを望みます。

日本経済新聞近畿版 9月22日(木)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07509640R20C16A9LDC000/ 

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最近、駅の土産物屋には地元の地酒のほかにお酒を使った食品などが売られていることがよくあります。私はよく山口に行きますが一時期「獺祭」が地元に出回らなくなり、やっと新山口駅で見つけたと思ったら獺祭を使ったロールケーキだったなんてことがありました。日本酒はついにスイーツにも化けるようになったようです。

清酒「白鹿」を提供する辰馬本家酒造は、地元の西宮市でスイーツと日本酒の相性を楽しめる開催し若い女性顧客を掘り起こそうとしています。ジャズの生演奏と地元のスイーツ店のスイーツを提供し、自社の博物館やレストランでは上質な雰囲気の中、日本酒と酒かすを使ったスイーツを味わうことができるとのこと。

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わが国では高齢化や若者のお酒離れから酒類消費量の低下が進んでいます。その中でもリキュールや低価格ビール系飲料などに押され日本酒の消費割合は低下、酒造メーカー各社は新市場・新製品の開拓を迫られています。

灘五郷の競合である大関や白鶴酒造でもリキュール類や健康食品、化粧品の開発などで、特に女性をターゲットにした新製品を開発しています。

辰馬本家では、今回のイベントでテストマーケティングを行い、酒かすを使ったスイーツを市場に投入することも考えられます。しかし、販路や生産体制を考えるとそれほど大規模なものを作ることは考えにくいと思われます。むしろ、スイーツに合う日本酒や、上質なライフスタイルを好む女性に向けた日本酒をテストマーケティングすることの意味の方が強いのではないかと思われます。

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同社のキャッチコピーは「うまい酒しか」。高級でデザイン性のある酒造りには自信があるようです。
それにしても、スイーツに合う日本酒とはどんなものなのか飲んでみたい気もします。

日本経済新聞近畿版 9月21日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07463120Q6A920C1LDA000/ 

001

かつては「飲みニケーション」などと言って、会社の上司・部下、先輩・後輩が連れ立って居酒屋で語り合うなどという風景がよくみられました。これも普段の不満の解消や、考え方の共有といった意味で人事施策だったといえるのでしょう。

そうした「飲みニケーション」が減少傾向にあるなか、地ビール大手、ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)では、「ヤッホー盛り上げ隊」というユニークな名前を持った部署が人事業務を担当し、通常の人事総務に加え社員のやる気を高めるイベントを実施することで同じような目的を果たそうとしています。

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同社は1996年の設立以来「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「僕ビール、君ビール」などユニークなネーミングのバラエティ豊かなクラフトビールを生み出す一方、「インターナル・ビア・コンペティション」で8年連続金賞を受賞するなど数々の賞を獲得しビールの味についても高い評価を得ています。

「ビールに味を!人生に幸せを!」をキャッチフレーズにする同社は「社員が仕事を楽しめなければ顧客に喜ばれる製品は生まれない」との考えから、新入社員の不安や不満を聞き出す座談会の開催や、営業や生産など部門に分かれ働く100人を超える社員の交流を図るためにトーク番組風の動画を作成するなどし、モラールを向上させたうえで新製品のアイデアを生み出す風土を作り出しています。

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国内の人口が減少する中、同社の戦略として今後は海外展開を強めていく方向も考えられます。そのためには積極的な外国人登用も必要とされ、部署間のみならず国や文化を超えた交流がますます重要な意味を持つようになるでしょう。

日本経済新聞 9月20日(火)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07416480Z10C16A9TQ4000/

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