関西I(愛)ターン人間の備忘録

2017年12月中小企業診断士登録。現在は会社員としてネットショップ支援業務に従事。 横浜に生まれながら関西にルーツを持つ筆者が、地域の事業者と市民を元気にする情報を発信します。 現在は、東京都墨田区に在住。月一度、関西とを往復する日々を過ごしています。

2016年08月

003

最近では、子育てしながらも正社員同様に働く女性の方が増えてきています。企業の側も出勤時間を柔軟に変更できるようにするなど働きやすい環境を整えてそうした人材の確保に力を入れているところが多いようです。人手不足が叫ばれる最近ではそうした取り組みが企業の競争力を左右しているといえそうです。

近畿2府4県の有効求人倍率は1.29倍で上昇が続いていて、関西企業ではとくに採用が難しくなってきているとのこと。そのために子育て中の女性やシニア層の採用も活発になってきているようです。

金属加工の日本ツクリダス(堺市)では、データ入力に在宅勤務の女性を試験的に雇用、機械商社の三共精機(京都市)では京都ジョブパークの託児サービスを利用して待機児童を抱える母親のパート採用を開始、また「業務スーパー」などの小売店を展開するG-7ホールディングスでは、従来より勤務時間を短くするなどしながら60歳以上の募集も増やしているそうです。

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各企業は、採用を強化するだけでなく採用した人材の定着にも力を入れる必要があります。G-7ホールディングスでは昇給やインセンティブの活用を検討中、また焼き鳥屋チェーンの鳥貴族では中途入社社員の悩み相談を実施し離職者を減らす取り組みをしています。

しかし、これらは衛生要因の充実に主眼を置いたものが多くなっており、さらに長期的な定着を図るには職務に対する動機づけが欠かせません。たとえば、パートタイム社員や在宅社員にも能力のある人には他の社員と区別なく仕事を与え、また社員の声を提案として積極的に採用したり、将来のキャリアプランを共に考えたりすることも必要となってくると考えられます。

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扶養家族制度が普通だった時代にパートや在宅勤務(内職)と言えば「家計の足し」というような位置づけであったと思われますが、現在では多様な働き方の一つであるというとらえ方をして、様々な人材を取り入れることが企業にも求められる時代になったようです。

日本経済新聞 8月31日(水)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06681610Q6A830C1LDA000/ 

001

私が子供のころは、ラムネは食品スーパーや駄菓子屋にも売っていたような気がするのですが、最近は祭り以外であまり見かけなくなったような気がします。ペットボトル飲料が全盛期の昨今、瓶を回収するシステムが成立しなくなったのもあるのかもしれません。

しかし、海外ではこのラムネが人気を集め始めているようです。地方の小規模メーカーが輸出に乗り出し、夏しか出荷することがなかったラムネを通年商品に変身させています。

ビー玉で栓をする独特の形の瓶も注目されており、中国の回転ずしチェーンでは大人がビールを飲む傍ら、子どもはラムネの瓶を手にするという光景がみられているようです。しかも中国では、日本国内の3倍近い価格で売られているとのこと。

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ラムネメーカーが海外へ進出する背景には、前述のように大手飲料メーカーのコーラなどに押され市場が縮小したことがあります。ラムネは中小企業分野調整法に基づき、中小企業が生産すべき品目に指定された経緯があり、ナショナルブランドもなく小規模企業が生産を続けているという実態があります。

中国などでは日本独特の飲料として受け入れられ、高値で販売されていることから小規模企業にとっても販路拡大のチャンスと言えます。

たとえば、回転ずしチェーンでの販売にとどまらず、日本食に合うように甘みを抑え大人でも飲めるような製品を開発し、ラムネ瓶の特徴を残しつつ店の雰囲気にあった形状、グラスに注げるような大きさの瓶で提供すれば高級日本食レストランでの提供も考えられます。

また、地域ブランド化しインバウンドで日本を訪れた外国人に地域名とともにラムネを記憶してもらい、ネット販売や百貨店などで指名買いをしてもらうことも戦略の一つです。

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海外の衛生基準に適合するコストなどで二の足を踏むメーカーもあるそうですが、高級ブランド化して高付加価値での提供が実現すれば、海外での販路拡大により大きく飛躍することができるかもしれません。

日本経済新聞 8月29日(月)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06550860W6A820C1ML0000/ 

004

以前、マルクスの資本論を読んだ(というか字面を追った・・)と言いましたが、数年前に出版されたトマ・ピケティ氏の「21世紀の資本論」も読んでみました。(まだこちらの方が読みやすかった)彼の理論によれば、投資などによる資本の収益率が労働などの対価として得られる所得の成長率を上回り貧富の格差を拡大させる構造を資本主義が根源的に持っている、と警鐘を鳴らすものでした。

こうした資本主義を否定する論調が、日本を含めた先進国で盛んになっているそうです。背景には、世界的に成長が弱まり若年層を中心に高失業や賃金停滞が顕著となる一方、富の集中が発生して貧富の格差が広がるというピケティ氏が指摘した事が社会現象として顕在化していることにあります。結果的に既存の経済・政治システムへの不信が拡大し、極端な政策が実現しかねない状況にあると記事では指摘しています。

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資本主義は私有財産を法により保障し、自由競争で富を生み出すもの。人々のやる気や創意工夫が反映につながるということを想定しています。日本国憲法第29条1項でも私人の財産権を保障しておりこの考え方に倣ったものとなっています。

他方、第29条2項3項においては、公共の福祉のためにこれを規制出来る事も示しています。様々な業界に対して敷かれる規制や、貿易にかかる関税やその違反に対する財産の没収などがこれにあたると考えられます。富の拡大が停止し国民への福祉の実現がおぼつかなくなれば、「公共の福祉」のために規制や関税の幅が広がるということも考えられなくはありません。これは自由競争と言う観点から見れば矛盾したものとなります。

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企業が目先の利益にとらわれずに想像力を発揮し、社会の課題解決につながる成果を出す事が資本主義の復権には必要であると記事では説いています。
加えて、規制や関税といった保護主義的な志向ではなく、ピケティ氏が提唱したような「世界的な資本税」の導入などにより国際社会共通の「公共の福祉」の枠組みを固めることも重要なのではないでしょうか。

日本国憲法第29条
1.財産権はこれを侵してはならない。
2.財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3.私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

日本経済新聞 8月28日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06538580W6A820C1TZD000/ 

002

私も大学を卒業とともに故郷を離れ、大都市である関西で就職した口です。と、いっても故郷の横浜の方が規模が大きくどちらかと言うとIターンの性格の方が強いかもしれません。地方から就職のために都市部へ人が流れるという動きは、将来的に地方にも国にも深刻な問題を引き起こすことになりそうです。

内閣府が発表した報告書によると、今後地方は需要を生み出す総人口が減る一方、現役世代の都市部への移住などで生産年齢の人口のペースがそれを上回り、生産不足になるそうです。結果、都市部からの財の購入が加速、地方から都市への所得移転が拡大することになり、30年度には地方交付税への依存度が現在の1.5倍まで膨らんでしまうそうです。

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記事では、地方は生産性の向上を図り、約6割が2回以上訪日しているというインバウンドのリピータ需要を取り込むべきと説いています。しかし、今後数年間、インバウンド需要は成長を見せるとみられその取り込みにはある程度の投資が必要となると考えられます。もともと生産力の高い都市部との競争は厳しく、しばらくはその財源として地方交付税に頼るのもやむを得ないかもしれません。

真の課題は、地方の生産年齢人口の減少に歯止めをかけ、安定的な財源基盤を築くことにあります。都市部への流出を防止したり都市部から地方への移住を促す方法も考えられますが、国内の人口が減少していることを考えるとあまり期待はできません。

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インバウンドの訪日観光客を取り込むだけではなく、地方大学での留学生の積極的な呼び込みや、外国人の定住受け入れなども視野に入れるべきなのではないでしょうか。
地方こそ国際的に開かれた場所である必要があるのではないかと思われます。

日本経済新聞 8月26日(金)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO06513380V20C16A8EE8000/ 

002

かつて会社の同僚に靴にこだわりが強く、いつも新品の靴を履いてきている子がいました。聞くと部屋の中にはたくさんの靴が飾られているのだそうで。私などかかとがすり減って使えなくなったらやっと新しいのを買うという靴のブランドに全く興味のない人間にはなかなか理解できないことでしたが、確かに足元がシャンとしていると気分は違うものなのかもしれません。

神戸市長田区のシューズメーカー各社が共同で「神戸シューズ」ブランドを立ち上げ、新たな進路を拓こうとしているという記事が出ていました。阪神大震災で被害をこうむったのに加え、中国や韓国勢の安価な靴の大量輸入により生産量が激減したのがきっかけだったようです。

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長田区のシューズメーカーでは数十年前にも共同販促の動きはあったようなのですが、OEMによる製造が主流だった企業が多く、自前ブランドを立ち上げ販売形態を転換することは大きなリスクを伴うものであり結局、当時はまとまりませんでした。

転機は、震災による被害と安価な海外製品の脅威に加え、2006年に「地域団体商標制度」が始まったこと。また、地域企業の中に、震災を乗り越え海外進出を果たし、流行を意識しつつ日本の伝統を取り入れた斬新なデザインで成功を収めた企業が存在したことも影響し、20社が共同で2014年に「神戸シューズ」の商標を登録しました。

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今後の課題は若手人材の育成と販路の開拓にあるとのこと。これまで成型、縫製、組立てと垂直的な連携が取られていた各企業の関係ですが、今後はそれぞれの得意分野の視点から新しいデザインのアイデアを持ち寄るなど水平的な連携が求められるものと思われます。

そして、アジア市場への進出やインバウンド需要の取り込みなど、積極的に売り込みをかけていく人材の育成にも力を入れていく必要がありそうです。

「災い転じて福となす」。数年後にはそう言えるようなブランドに育ってほしいと願います。

日本経済新聞 8月25日(木)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06451720U6A820C1L83000/ 

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