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私はどうも絵を描くのは得意ではありません。子どものころに電車の絵ばかり描いていたせいか、人物画や生き物を描いても動きに乏しくて、平面的な絵になってしまいます。けれど平面的に描いた絵でも実際に動き出したらどれだけ面白いことでしょう。

そんな夢をかなえてくれる水族館が今年の11月~12月の期間限定で開館します。紙に描いた魚の絵をスキャンすると壁一面のディスプレイにそれが泳ぎ出すという仕掛け。デジタルアート制作を手掛けるチームラボ(東京・文京区)が提供するアトラクションです。

チームラボは、アーティストや建築家を抱え、このほかにもタッチパネルに描いた絵が動き出し音楽を奏でるアトラクションなどユニークな作品を数多く手掛け、子ども達を楽しませています。

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チームラボは、東京大学や東京工業大学の卒業生が2000年に設立。私と同世代なので卒業と同時に立ち上げた会社です。しかし、最初からこのようなユニークな作品を生み出してきたかというとそういうわけではないようです。

Wikipediaによれば、設立当初はシステム開発の請負をしていました。その後2006年ごろからフジテレビ、大広、auなどと提携、財務基盤を安定化させていったものと思われます。
2008年ごろからは、積極的に国内外の展示会に自らの作品を出展。数多くの賞を受賞することにより世界中の人にその独特の世界観を知らしめ、認められるようになったようです。

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最初は下請けのような泥臭い稼ぎ方をしても、それによって事業が安定化してくれば、いずれ自らを表現するチャンスは巡ってくる。そう思えばどんな仕事をしていても勇気が湧いてくるというものです。

日本経済新聞 8月25日(金)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO20363560U7A820C1LKA000/