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25日(木)、シャープの取締役会が開かれ台湾の鴻海精密工業による買収提案を受け入れることが決議され発表されました。これにより100年以上続いた日本の電機会社大手の一角が、外資によって支配されることが確実となりました。

シャープといえば大阪市阿倍野区に本社を構える関西企業。これまで同社に製品を直接納入していた関西の企業は621社で全納入業者の37%を占めるそうです。こうした企業もシャープの再建交渉の様子を固唾を飲んで見守っていたはずで、外資が買収先に決まったことによる影響は避けられない状況となってきました。

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企業が、製造部品などの購入計画を立てる際に利用する考え方としてMRP(Material Requirements Planning)というものがあります。これは生産計画に合わせて、生産に必要な材料の量を算出し、調達計画を立てる方法です。生産に必要な材料を算出する際にはBOMという部品表が使用されます。BOMは部品の構成を階層的な構造で表現し、部品を作成するのに必要な量を記載していきます。

こうして生産に必要な部品を把握したうえで、調達が必要な部品の量を計算していくわけですが、鴻海はEMSと呼ばれる低コストで電子部品を生産するビジネスモデルを確立しており、液晶パネルの駆動部品など鴻海で調達できる部品を生産している企業にとっては脅威となります。

一方、今回のシャープ買収により鴻海が垂直統合を実現したことにより、自社ブランドで新たなスマートフォンを出す可能性もあり、新たな部品の需要が生まれビジネスチャンスが広がると期待する企業もあるようです。

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まずは、シャープ本体の立て直しが急務かと思われますが、関西の関連会社にも恩恵が得られるような形で再建が進んでいくことを望むばかりです。

日本経済新聞近畿版 2月26日(金)付 朝刊より