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現在、京都駅近くの伏見稲荷大社御旅所では神幸祭という祭りがおこなわれています。境内に能舞台や屋台が立ち並び、にわかににぎやかになってきています。この伏見稲荷大社は戦後、神道系の本流である神社本庁が設立されたときに合流せず、独立の宗教法人として存続しています。

現在の天皇陛下が生前退位の意向を示され再来年にも退位が実現される見通しですが、一方で皇室の減少が問題となってきており、一度皇籍から離れられた宮家の皇籍復帰により皇族を維持することなど安定的な皇位継承策を検討するよう、天皇陛下退位に関する有識者会議は政府に求めています。

現在、女系天皇や女性天皇は皇室典範によって認められておらず、皇太子殿下の子、愛子さまが天皇になったり、その子が天皇になることはこのままの状態だと考えられません。

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日本国憲法では、この皇室典範を国会の議決によって定めることを求めています。明治憲法下では皇室典範は帝国議会の影響は受およばず、皇室自律主義をとっていました。

日本国憲法は、第一条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とし、明治憲法下で統治権を持っていた天皇とは大きく変えられていることが特徴的であるといえます。そして主権が国民にあることが明示されています。そのために、皇室典範の変更が国民の代表である国会に委ねられているわけです。

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女系天皇や女性天皇をめぐっては様々な意見があるようですが、皇室の存続の在り方についても国民的な議論が進むことが期待されているようです。

日本国憲法
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存ずる日本国民の総意に基く。
第2条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

日本経済新聞 4月23日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO15647850T20C17A4EA2000/