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2016年度下期の朝ドラは「べっぴんさん」。神戸で女性4人組がベビー服・子供服の会社を立ち上げ成功していくストーリーで、戦後ベビーブームの中で不足する赤ちゃんの肌着を提供したことを皮切りに、時代が下るにつれて豊かになると「女性の一生」をテーマにした展示会により大人向けの服とのコラボで販売するなど、その販売戦略が変わっていきなかなか興味深いものがあります。

近年の子どもが身に着けるものにおいては、ただ肌触りがいいといった着心地だけでなく、子どもの安全を見守るという役割も担うようになっているようです。神戸市では、無料で小型の無線情報発信器を配布し、子どもが身に着けることにより受信機のある施設や検知アプリを入れたスマホの所持者の近くを通ることにより、子どもの居場所が分かるようになるという実証実験を行っているそうです。

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この実証実験、神戸大学の塚本教授や地元のIT企業と組み2015年8月から「神戸市ウエアラブルデバイス推進会議」という会議体により行われたものです。

こうした実証実験の先には、神戸市にウエアラブル産業の産業集積を推進する狙いがあるようです。神戸市はもともとファッションの街として知られており、今後成長が見込まれているIoT(モノにつながるインターネット)技術を取り込むことにより地域経済の基盤を再構築することが期待されます。

国も今年2月に「地域未来投資促進法案」を閣議決定し、こうした将来の地場産業となりうる地域の取組に積極的に支援をする姿勢を見せています。

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産業集積が進むと情報や設備、関連する取引事業者が一か所に集まることによりシナジー効果が生まれ、より競争力を増すという効果が期待されます。
そう考えると、やはり子供服の開発を進めるなら神戸がいいということのようです。

日本経済新聞近畿版 3月25日(土)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO14490050U7A320C1LKA000/