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スマートフォンを持つようになって、SNSを開かない日はありません。特に故郷の友人や旅先で知り合った方たちとリアルタイムにコミュニケーションが取れるということは掛け替えのないもの担っています。

しかし、その反面、あまりにも的確に自分の知り合いが「友達では?」と勧められることに、個人情報がどのように使われているのか不安になることがあります。今日の日経で紹介されていた「超監視社会」(ブルース・シュナイアー著)では、ネットで検索したり、「いいね」ボタンを押したりするだけで履歴が追跡され個人が特定されるリスクに強い警鐘を鳴らしています。

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「プライバシー権」という権利が、法廷で初めて認められたのは1964年。憲法ではその権利が明文化されているわけではないのですが、憲法13条「幸福追求権」を根拠にその存在を認めています。以後、世の中の情報化が進むにつれてその権利は強く意識されるようになり、現在は自己の情報は、本人の同意がない限り自分でコントロールできるとする「自己情報コントロール権」というものが認められています。

では、個人情報の入力を求めてくるSNSは、この「自己情報コントロール権」をきちんと保障しているといえるのでしょうか。

一般的に使われるSNSは、公開される情報を自ら設定することができるようになっており、法的には自己でコントロールできるようになっているといえます。しかし、細かい設定が適切にできているかどうかというのは私自身に照らし合わせてみても不安な点が多くあります。

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一方で、数年前にスノーデン氏が告白したようにこうした情報が国家の諜報に使われたり、アメリカ大統領選であったように戦略的にデータを利用したりするといったことが明らかになってきています。
SNSは便利だからといって安易に利用するのではなく、大きなリスクを背負いながら情報を公開しているということを改めて認識しなければなりません。

日本国憲法
第13条
 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利につては、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

日本経済新聞 2月19日(日)付 朝刊より
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13083820Y7A210C1MY7000/