関西I(愛)ターン人間の備忘録

2017年12月中小企業診断士登録。現在は会社員としてネットショップ支援業務に従事。 横浜に生まれながら関西にルーツを持つ筆者が、地域の事業者と市民を元気にする情報を発信します。 現在は、東京都墨田区に在住。月一度、関西とを往復する日々を過ごしています。

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久々の投稿。7月21日(日)投票で参議院議員選挙で公示されテレビやネット上でも選挙戦に関する話題が増えてきました。なかでも、公的年金だけでは老後資金が2000万円不足するとした金融庁の報告書についてセンセーショナルに報道され、年金問題が今回の選挙の争点の一つとして挙げられています。

◆在職老齢年金制度の見直し

2000万円問題が大きく報道された直後、国民の不安を和らげようとするかのように、政府が「在職老齢年金制度の見直し」を実施する方針であることも報じられました。仕事に就き収入がある高齢者については現在、年金の支給額を減額ないしは停止していますがこれを見直し全額支給にしようというものです。

働くと年金がもらえなくなり就労意欲を削いでいるという理由から、これを廃止し社会保障制度の担い手を増やそうというのが目的です。ところが、この制度を廃止すると1兆円程度の支出増となりその財源の確保が課題となっています。

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◆年金拡大はシルバー民主主義?

一見すると高齢者を優遇するいわゆる「シルバー民主主義」が制度改革を促しているようにも見えますが、ネット上の反応を見ると以外にも大方この方針に賛同する声が多く、むしろ年金の支給を制限している現状の制度に対する批判が強いようです。

日本国憲法は国民に、健康で文化的な最低限度の生活を送れる権利、「生存権」を認めています。年金制度は歳を取って働けなくなっても生存権を保障するものであって、それが減らされることはけしからん、というのが多数派なのでしょう。

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◆財源先送りは「財政的幼児虐待」

「シルバー民主主義の政治経済学」(島澤 諭・著 日本経済新聞出版社)は、この現状について、日本においては「シルバー民主主義」は存在しておらず、「シルバーファースト現象」が発生しているに過ぎないと論じています。

すなわち、選挙においてどちらかというと多数派の高齢者の声を政治家が忖度しているにすぎず、たとえば子育て世代の保障を強くするべきという世論が強くなれば「こども保険」や「教育無償化」といった公約が掲げられるようになると指摘しています。

しかし、それらの財源はいずれも国の借金により賄っているのが現状でありこれを見過ごすことは、高齢者と現役世代が結託して将来世代に負担を先送りしているのに等しく「財政的幼児虐待」であると厳しい批判をしています。

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◆争点は未来の日本

在職老齢年金制度の見直しについて賛同する声が大きいのも、「財源が不足する」というところに我々有権者の目があまり向かないからなのでしょう。しかし、生存権を初めとする基本的人権は当然に将来の国民にも向けられたものであって、そうでなければ日本という国はそう遠くない将来、その存在自体が危ういものになるのは容易に想像がつきます。

消費増税・社会保障制度・憲法改正などが今回の選挙の争点であるといわれています。いずれも目先の利益にばかりとらわれて将来世代に負担を押し付けるような事にならないよう、投票に向かいたいと思います。

日本国憲法
第25条1項 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
   2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

日本経済新聞 6月5日(金)付より
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45708110V00C19A6EE8000/

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このところ飲食店やコンビニへ行くと、外国人が応対してくれることが多くなりました。と、いうより外国人しか見かけなくなったといった方が正確かもしれません。日本の人手不足もここまで来たかと考えさせられるものがあります。

4月に改正された出入国管理法では、日本語の試験に受かるなどすれば外食や宿泊などの業種で5年在留が可能なビザが与えられるなど、今後外国人が日本で働くケースはますます増えてくると予想されています。

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そのような状況でこの日経新聞の見出しは少し気がかりです。外国人の就労が増えているのであれば労災事故の件数自体も増えるのは数字上仕方のないことなのかもしれません。しかし、その中でも技能実習生の割合が過去最多を更新し続けているという事実は問題のように感じます。

厳しい労働環境で働く技能実習生の問題は、報道などでよく耳にするところです。しかし、現在の入管法では入国1年目の技能実習生であったとしても、日本人と同じ労働基準法など労働関係法に基づいた労働契約を結ぶことが義務付けられています。

それでも技能実習生の劣悪な労働環境が改善されないのはなぜなのでしょうか。

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そのひとつとして憲法第22条1項が定める「職業選択の自由」が外国人に対しては制限されていることが挙げられます。日本国憲法では第22条2項で「出国の自由」は保障しているものの入国の自由は保障されないとされています。入国に関しては、法務局の判断によって就労など国内に在留する条件を制限することができる、という過去の判例があるためです。

職業を自由に選ぶことができないとなると、仮にたとえ違法で劣悪な環境で働かされていたとしても、裁判などで違法性を訴えるのはかなりの労力がいります。そのためこのまま日本に在留し続けようと思えば結局は劣悪な労働環境を受け入れざるを得なくなるのが現実なのではないでしょうか。

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近年、憲法改正を訴える政治家や政党が増えてきていますが、外国人の人権については論点に挙げられていません。日本の人口が減って労働力の確保が喫緊の課題なのだとすると、外国人をどのように受け入れて彼らの人権をどう守るかも早々に議論しなければならないことの一つなのではないかと思います。

日本国憲法
第22条第1項 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
   第2項 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

日本経済新聞 2019年5月19日(日)付朝刊より
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44990510Y9A510C1CZ8000/

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少し歯が痛くなったといって歯医者へ行くと、初日はレントゲンをとってちょっと歯を削る。次の回はさらに削ってセメントで埋める・・などといって何回も歯医者に通うことになります。で、治療が終わったら、「親知らずがありますが抜きますか?」「歯石を取りますか?」と別の場所の治療も勧めてきます。

歯医者にとって患者さんが大事なお客様であることを考えると、これは非常に大事なマーケティング施策であるといえます。同じ患者さんが歯の悩みについて必ず自分のクリニックに相談をしてくれるようになればいわゆる生涯価値(LTV)が上がり、大きな収益を上げることができるからです。

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最近では、「デンタルテック」とよばれるハイテクノロジーも駆使して、顧客(患者)の獲得、つなぎ止めを図ろうとする動きもあるようです。

大阪のスタートアップ企業ノーブナインが開発した「スマッシュ」という歯ブラシは、センサーで「メチルカプタン」や硫化水素を検知して歯周病があるかを調べることができます。このデータをスマホで確認できるようにして歯科医に相談するきっかけをつくろうというのが狙いです。

ノーブナイン社は月額980円で小児の歯の相談がいつでも受けられる「ブラシる」や、オーラルケアのプロが選んだ歯ブラシを定期配送するといったサブスクリプションモデルのサービスを既に提供しています。

もしかすると「スマッシュ」を利用して歯周病治療や予防のサブスクリプションサービスを開始することも視野にあるのかもしれません。

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さて、最近よく耳にする「サブスクリプション」ですが、ニック・メータ、ダン・スタインマン、リンカーン・マーフィーらの著書によれば、顧客の成功すなわち「カスタマーサクセス」を第一に考えてマーケティング施策を実施することが最も大事であるとされています。

実はこの「スマッシュ」という歯ブラシ、一台5,000円~8,000円とハイテク機器にしては割安です。歯ブラシそのものを売るのではなく、スマホでの歯の状態管理や相談によって「顧客の歯を健康に保つ」ということを提供価値にして収益を得ようとしていることが、このことからも読み取れます。

日本経済新聞 2019年5月6日(月)付 朝刊より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44265690W9A420C1FFR000/ 

参考図書
ニック・メータ、ダン・スタインマイン、リンカーン・マーフィ著
バーチャクレス・コンサルティング 訳
「カスタマーサクセス ~サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」(英治出版)
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2260

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